自分の実現したいことに近づくため、社会環境推進室に移動

 振り返ってみると、自分のやっていることは、「新しいコミュニケーション文化の世界を創造する」という企業理念と合っていたと思います。
  ただ、部署の短期的な目標と、会社の方向性は必ずしも一致しないことがあります。会社全部署を見渡して、障害者のための開発を促進させ、コミュニケーション文化の創造という企業理念を実現できる社会環境推進室(現社会環境推進部)に異動を希望しました。

 大星元会長は「企業は社会の公器であり事業で儲けるだけでなく社会にも貢献しろ」というメッセージを社員に対して出していました。社員がボランティアする機会を自らつくっていたりしていました。
  大星さんが力をいれてつくった部署が、この社会環境室だと聞いています。だから、全社に対する影響力がある部署なので、障害者のことを扱うなら、そこでやるのがベストだと考えたのです。

CSRの社内への普及を通して、ユニバーサルデザインを普及する
「大企業はすぐに変わらないが、変わった時の影響は大きい」

 営業部署での障害者のための取り組みはボランティアベースでした。社会環境推進室に異動したので、継続的に続けていくために、会社の仕組みを作り上げるという想いがありました。

 ちょうど環境ブームからCSRブームへと社会の流れがあったため、CSRを勉強し、CSRの推進を武器にして社内の仕組みに落とし込んでいこうと考えました。
  例えば、ドコモが障害者のためのハーティ割引を入れる時期だったので、ユニバーサルデザインに関する社内教育活動を企画しました。小さいカードや啓蒙冊子をつくって全社員に配布し、ユニバーサルデザインの存在を知らせました。全社員に落としこむのは後で、まず、認知をしてもらおうと考えたのです。

 いきなり理想の形に押し込むのではなく、どのように段階を踏むのかが大切だと考えています。時々、自分のとった行動を冷静に振り返ってみて、これから、どうしようかと考えるようにしています。
  ドコモのような大きい会社がいきなり大きな変化をとげることは難しく、最後のあるべき形に近いかどうかを考えるとストレスになります。しかし、現状はそう変わるものではなく、ゆっくり動くものだと考えるとストレスは減ります。急に動くことよりも、ドコモという大きな会社が動いたときには何千万人に影響を与えることができるんだと考えてやってきています。

 取り組み始めてから3年後、全社のCSR委員会が設けられ、高齢者・障害者対応が項目に入りました。会社の仕組みに入ったことで、事業部も本格的にユニバーサルデザインについて考えるようになっています。また、携帯市場は、若者では飽和状態となり、今、60代、70代は伸び率のいい市場となっていることも、社内での認知度が高めることを後押ししてくれました。

 ドコモは、障害者分野では先を行っていると自負しています。理由は、らくらくホンは2006年9月現在で808万台です。らくらくホンはドコモのユニバーサルデザイン携帯意電話の代表といえるためです。
  ユニバーサルデザインは身近に存在します。皆さんの携帯電話を見てもらうとわかるのですが、携帯電話の切る/かけるのボタンには、小さなポチがついています。他のボタンとすぐ区別ができるようにです。今ではauなどでもついていますが、このポチは小さなもので多くの人は気付きません。ユニバーサルデザインは気付かれにくいが、必要としている人がいて、気付く人にはとても大きいことなのです。

 さらにドコモでは丸の内にハーティプラザがあり、障害のある人達をアドバイザーとしてご意見をいただきながら店舗を作っています。また、らくらくホンはネットワークサービスと機器との連携も行っており、i-modeから「かんたんらくらくメニュー」を利用することができます。
 商品だけでなく、店舗やサービスなど身近なところに実はユニバーサルデザインは存在しています。

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